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第18回アジア知的障害会議

第18回アジア知的障害会議を終えて

(社)日本発達障害福祉連盟  理事  谷口 奈保子 
 
第18回アジア知的障害会議が、11月18日から6日間、台湾の台北市で開催されました。この会議はアジアの地域の15カ国が持ち回りで隔年に開催されています。今回は日本から52名が参加し、625名が一堂に会して「Universal Design Environment―物理的に、精神的にバリアフリーな環境の創造」をテーマに、知的障害に関する教育、医療、就労、生活などの研究や実践の報告が行われましたが、今回は今までとは一味違う会議となりました。 
 
この会議はこれまで、主に研究者や施設職員などの専門家による発表の場として開かれていましたが、今回は障害のある本人が自分たちの言葉で「本人活動」や「働くこと」をテーマに発表するという初めての試みに大きな成果を挙げたのです。今、日本の障害者福祉は大きく変わろうとしています。その転換期に、山積している課題に対して知的に障害のある人たちがどのように向き合い生活しているのか、彼ら自身が社会に訴えていくことこそ必要とされています。 
 
そこで、全大会や分科会で本人が発表する企画を立て、日本発達障害福祉連盟の理事会で検討された後、アジア知的障害連盟で承認されてこの1年間準備を進めてきました。会議に参加しやすいように、発表する5名の本人とその支援者の参加費の補助のための寄付をお願いして回りましたが、幸いにも多くの個人、企業、支援団体のご理解とご協力をいただき、果たして実行できるのだろうかと不安を抱いていた私どもにとっては大きな励みとなりました。お陰様で、本人の発表のみならず彼らが主役となって大活躍したイベントなども含め、同行した専門家による映像記録も作成することができました。 
 
先ず、岡山ももの会所属の窪田寿美男さんがカントリーレポートの部で、「本人の活動で自分が変わる、みんなが変わる、世の中が変わる」と題して、日本の本人活動について発表しました。3人の研究者に臆せず堂々とした態度に加えて説得力のある内容に参加者は感動し、発表後の窪田さんは握手と質問攻めに合いました。分科会では河合真里さんがNPO法人おかし屋ぱれっとで20年間働いてきた様子や趣味、家族、将来の夢などユーモアを交えて発表しました。続いて寺町章さんは、フリースクールに通っていた生活から現在の企業での仕事について語り、真面目で誠実な働きぶりが伝わりました。3番目は現在釧路市未来~トゥモロー~編集員として活動している杉澤哲哉さんが「本人活動は自立へのスタート」をテーマに、本人活動の重要性を力強く発表しました。最後に発表した台湾のメイチー・チオさんの「自分のこと」を通して生き生きと話す様子から、彼女の充実した日常生活が伺えました。発表後は、時間が足りないほどの参加者からの質問が続き、活気のある分科会となりました。 
 
分科会に引き続き開かれたワークショップでは、窪田さんの司会による「私たちに関わることは、私たちを交えて決めてほしい―知り合おう、アジアの仲間たちと」というテーマに相応しく、本人以外の参加者も交え国を超えた課題を共有した貴重な90分でした。また、台湾の親の会主催「親の交流会-ペアレントナイト」、そして各国からの出し物で盛り上がった「フレンドシップナイト」でも、アジアの仲間と今までに無いすばらしい交流を持つことできました。 
 
今回は、2009年のシンガポール、2011年の韓国と本人活動の発表が継続され、その輪が広がるアジア会議が期待できる手ごたえを強く感じました。
 
 
*連盟より*
今回、本人による発表を実施するにあたり、沢山の方・企業・団体にご協力いただきました。
この場をお借りして、心より御礼申し上げます。 
 
重田信子様 小泉宗雄様 後藤英子様 小林チヨ子様 鈴木道子様 炭屋昌彦様 長谷川啓子様 村上照子様 吉井勇様 玉木勢津子様 周藤幸子様 大木戸健次様 岡田晃三様 三田滋様 横田紀之様 井澤静枝様 亀井愛子様 石川タカ子様 高橋直子様 持田静子様 太田勲様 中澤健様 森礼子様 北村紀子様 萬一豊様 ぱれっと親の会様 国際ソロプチミスト東京ー弥生様 損保ジャパン記念財団ちきゅうくらぶ様 富士ゼロックス株式会社様 富士ゼロックス端数倶楽部様(以上、NPO法人ぱれっとを通してご寄付いただきました)
山本基金様 社会福祉法人東京都共同募金会様 財団法人交流協会様 台北駐日経済文化代表所様 台北市日本工商会様 臺灣日通國際物流(股)公司様 日本亜細亜航空公司様 中華凸版電子(股)公司様 台湾NSK(安士克)精密(股)公司様 花王(台湾)(股)公司様 台湾住友商事(股)公司様 台湾新力国際(股)公司様 台湾三井物産(股)公司様 台湾三菱商事(股)公司様
※以上順不同 
 

 
 
 

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