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第19回アジア知的障害会議

第19回アジア知的障害会議~シンガポール~
本人参加を協力に推進

(社)日本発達障害福祉連盟  会長 金子 健 
 
2009年11月、アジア知的障害会議がシンガポールで開催されました。この会議は、1973年にフィリピンのマニラで第1回が開催されて以来、アジア知的障害連盟の15の会員団体間で持ち回りで隔年に開催されており、第19回の今回は約600名の参加者が5日間にわたり、熱く和やかな時間を共有することができました。日本からは、約60名が参加し、そのうち20名ほどが、知的障害のある本人の方々でした。「総合的な発展を目指して(Towards  Holistic Development)」のテーマのもとで、医療、福祉、労働、教育など幅広い分野の研究や実践が報告され、討論が展開されました。 
 
今年の特徴は、インクルージョンへ向けて各国の取り組みが報告されたことでしょう。国連の障害者権利条約の採択と前後して、アジアの国々でもそれを意識した取組が見られるようになりました。 
 
前回の開催国台湾では、「zero rejection」、すなわち地域の学校で障害児の受け入れを拒否してはならないという法律が制定され、教員養成、教材開発、カリキュラム編成などで様々な取り組みがなされており、養護学校に残っているのは重度の障害児だけという状況があるようです。しかし、教育方法や成果についての詳細なレポートはまだ出されていません。 
 
今回のもう一つの特徴は、本人参加が広まって来たことでしょう。この会議は以前は専門家や親による研究や実践の発表とシンポジウムなどが主でしたが、2003年に第16回会議が筑波で開かれた際に、知的障害本人の参加を提案してから、少しずつ障害当事者による発表や各国の当事者相互の交流が行われるようになりました。今回も日本から参加した知的障害のある本人の方々が、分科会で自分自身の仕事や家族のこと、悩みや夢について発表し、各国からの参加者の質問に答えたり意見交換を行いました。会議最終日の総会でも、日本やインドの障害当事者が壇上から、そして台湾やシンガポールの本人が会場から、「障害者の働く権利、学ぶ権利を保障してほしい」、「差別をなくしてほしい」などと訴えて大きな拍手を浴びていました。 
 
障害当事者による、「自分たちのことは自分たちも含めて話し合ってほしい(Nothing about us, without us)」との主張は、国連障害者の権利条約の基本認識であり、今年1月に発足した「障がい者制度改革推進会議」でも協力に推進されようとしている主張です。 
 
身近なアジアの国々で、世界の潮流を受けて新たな試みに力を入れていることは、私たち日本での取り組みに参考になることが少なくありません。次回の第20回アジア知的障害会議は、2011年8月にお隣の韓国の済州島で開催されます。世界の仲間と知恵を出し合い、力を合わせていきたいものです。 
 
★ご賛同いただき有難うございました★(順不同)
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