事業活動

第21回 アジア知的障害会議

第21回 アジア知的障害会議

「尊厳と人生の充実」に向けて

2013年10月7日(月)から11日(金)の5日間、インド ニューデリーで第21回アジア知的障害会議が開催されました。 

この会議は、1973年フィリピンのマニラで第1回が開催され、アジア知的障害連盟の14の会員国の持ち回りで2年に一度開催されています。異なる文化を持つ国々が、その知恵と実践を交流する場として重ねられてきたこの会議も、21回を迎えました。

今回のテーマは、「尊厳と人生の充実(Towards Dignity & Quality of Life – Evolving Individual Capacity with Family & Community)」です。このテーマのもとで幅広い分野の研究や実践が報告され、討論が展開されました。会議のプログラムには、障害のある人のためのワークショップ、障害者支援施設や世界遺産を見学するスタディツアーも含まれ、夕食会と併設の友情の夜では、各国の出し物を通じて、国の違い、言葉の違いを越えた交流の場として大いに盛り上がりました。

今回は、韓国、日本、シンガポール、ネパール、バングラディシュ、台湾、マレーシア、マカオ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、スリランカのアジア各国に加えて、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカから約470人が参加しました。
日本からは当連盟主催の参加ツアーで46人が参加し、障害のあるご本人7人がそれぞれのテーマで自分の意見を発表され、体験の交流も活発に行われました。分科会では6人の日本人障害当事者が自分自身の仕事や家族のこと、悩みや夢、本人活動について発表し、各国からの参加者の質問に答え、意見交換を行いました。また、会議最終日の総会でも、各国のカントリーレポートに続き、インドや日本の障害当事者が、壇上から自立生活や人権について発表し、大きな拍手を浴びていました。 

今回の特徴は、本人参加が浸透してきたことと言えます。1日目の全体会では、インドの障害当事者による自立生活についてのパネルディスカッションが、支援者の司会進行のもと、グループホームで共同生活しているかたたちの意見を聞く形式で行われました。日本以外の国がリーダーシップを持って障害当事者のプログラムを企画し、意見発表の場ができたことは、その表れと言えますが、パネリストがインドの方のみだったのが残念に思われます。次の大会でもこのような取り組みが継続的行われ、アジア各国にご本人の活動が浸透していくことを期待したいと思います。 

次回は、2015年にスリランカで開催されます。