平成27(2015)年度 自閉症セミナー
自閉症児(者)への教育・福祉の質を高めるために
~最新研究の応用と効果的な人材育成~

 自閉症への教育・福祉の質を高めていくためには、特定の方法論にこだわることなく自閉症についての妥当性のある研究を理解して取り組んでいく必要があります。教育では特別支援教育の開始により多様なニーズが生まれ、より専門的な支援が必要とされています。福祉の現場では、新制度により職員配置の大幅な見直しをせまられ、実践でより有効な方法が求められています。しかし、教育・福祉の現場では様々な方法論を現場で生かすことや、最新研究の応用などはほとんどなされなかったのではないでしょうか。
この研修では、1日目は自閉症への3つの方法論の応用とその実践について学びます。そして2日目は、効果的なケースカンファレンスの方法を実際に習得することにより、それぞれの現場で生かすことのできることを目的とします。カンファレンスにおいては、行動障害を事例として取り上げます。行動障害は今なお大きな課題です。行動障害に対応する目的ははっきりとしており、その目的へのプロセスを検討することで、3つの方法論を生かしながら自閉症への行動理解の多くの示唆を得ることができます。
なお今回のセミナーでも、前回同様2日目のセッション終了後全体会を設け、質問に答えることができるようにしました。また、スーパーバイザーがいない現場で実践していくのは難しいなどのご意見も多くあり、このような問題を探るために今回も研修後のフォローアップアンケートを行い、寄せられたご意見に対する講師のコメントを、連盟のホームページで公開する予定です。
2015年度自閉症セミナー コーディネーター
社会福祉法人 けやきの郷 佐々木敏宏
  • ■ 日 時  2015年10月24日(土)~25日(日)
  • ■ 会 場  すみだ産業会館
  •        東京都墨田区江東橋3-9-10 Tel: 03-3635-4351
  •        墨田区・丸井共同開発ビル8・9階
  •        JR / 東京メトロ 錦糸町駅より徒歩1分
  •        ※会場地図は、参加証とともにお送りいたします。
  • ■ 定 員  150名 (定員になり次第締め切ります)
  •  (2日間参加…80名/10/24(土)のみ参加…70名)
  • ■ 参加対象者 発達障害医療・福祉・教育・行政関係者・保護者・その他
  • ■ 参加費
2日間参加・・・16,400円 ( 賛助会員 14,760円 )
10月24日(土)【講演】のみ参加・・・8,200円( 賛助会員 7,380円 )
10月25日(日)【分科会】のみ参加※(注)・・・8,200円( 賛助会員 7,380円 )
※2日目(分科会)参加は、1日目(講演)を終了していることが条件です。
※2007年度以降に当セミナーを受講したことのある方のみ、
分科会からの参加が可能です。
ただし、2014年度の1日目を受講した方が優先となります。
※連盟加盟団体の会員と、連盟賛助会員とは異なります。
  • ■ 公益社団法人 日本発達障害連盟
~ご宿泊について~
遠方よりお越しの皆様には、各自で宿泊先の手配をお願いしておりますのでご了承ください。
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【平成27年度 自閉症セミナーを終えて】

 自閉症セミナーは、自閉症の障害特性を科学的に理解し、支援を具体的に組み立てることを目的にしたセミナーです。自閉症者は、その認知構造上行動障害の状態を示す方がおります。その行動障害への支援、行き詰まっていませんか。2日目は行動障害をテーマにした、カンファレンスを中心に行います。なぜ、自閉症セミナーが行動障害を取り上げるのか、行動障害への支援に多くところで悩んでおり、その解決の糸口が自閉症を理解し、具体的な支援を組み立てていくことにあるからです。

平成27年10月24日(土)25(日)の2日間にわたって自閉症セミナーが行われました。1日目は、1)太田ステージ 2)ABA(応用行動分析) 3)TEACCH(ティーチプログラム) 4)TAO(最新研究の応用と実践)の4つの講義が行われました。※TAOは、「太田ステージを基盤においたTEACCHとABAの応用」の略称です。

これらの講義にはできるだけ具体的な実践を入れ、実際に応用できるような内容で構成されています。参加者へのアンケート(以下、アンケート)では、『一度に太田ステージ・ABA ・TEACCHを研修することができるので参加しました』との声が多くありました。『様々な講師の話しを聞き、1つずつがバラバラなのではなく関係性があると感じた。利用者に合わせて支援を組み合わせてみたいと思いました。』『太田ステージ,ABA,TEACCHなどこれまで別物としてとらえていた。利用者に合わせた支援方法を様々に取り入れて良いことを知った』このような声がありました。現場は、特定の方法論にこだわることなく、柔軟に一人ひとりに合わせていく必要があります。このような研修の趣旨が理解されてきたと感じております。

2日目は、4グループに分かれてのケースカンファレンスがインシデントプロセス法(事例による問題解決の技法)によって行われました。約20人ずつのグループに分かれて2セッション、セッション毎に講師が入れ替わります。時間の制約もありとてもハードな内容ですが、その場で出される事例と参加者同士のカンファレンスは、とても勉強になったとの声が多くありました。アンケートでは、『内容が濃く、実践的、現場にフィードバックしやすい内容でした。難しい場面もありましたが、自分で勉強して学ぶ必要があると思いました。』『2日間大変力をもらえるセミナーでした。やらなければいけないことが沢山ありますが、インシデントプロセス法で事例の検討もしていただきました。日頃の支援の中でできることから取り組ませていただきたいと思います。』本セミナーにおける2日目のケースカンファレンスは、行動障害の事例を取り上げております。障害特性と最新の研究を理解し、予防的な対応を一貫して続けることで時間はかかっても行動障害の多くは軽減されていきます。そのために本セミナーが生かされるような内容を今後も計画していきたいと考えております。

最後に2日目に参加のかたのアンケートをご紹介します。『重度の行動障害の事例が上がり、現場スタッフで対応しきれない状況に、話を聞いたばかりだと答えが出るか不安だったが、1日目に学んだステージを判断し、方法論を当てはめて、当事者の情報を整理していくことで、いくらでもアプローチの可能性が見えてきました。また、他者の意見(自分の持っていない考え)を聞くことで、より良い対応策が出てくること、グループで話し合うことの重要性を改めて感じました。』

2015年度自閉症セミナー コーディネーター
社会福祉法人 けやきの郷 佐々木敏宏

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ご参加、ご協力いただきました皆様には厚く御礼申し上げます。
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