平成27(2015)年度 発達障害医学セミナー
発達障害とトラウマ

 【発達障害とトラウマ】
私は2001年、新しく作られた子ども病院あいち小児保健医療総合センターに、子ども虐待専門外来「子そだて支援外来」を立ち上げ、千名以上の子ども虐待の子どもと、またその親の治療を経験しました。最初に驚いたことは、被虐待児として受診する子ども達の中に発達障害と診断される者が大変に多かったことです。実に過半数を超えるのです。知的な遅れの無い、いわゆる軽度発達障害が子ども虐待の高リスクになることは疑いありません。しかしここには大変に複雑な問題があります。子ども虐待の後遺症である反応性愛着障害の臨床像は、発達障害に極似した症状を呈するのです。
近年になって子ども虐待によって生じる脳の変化は、一般の発達障害よりも重症であることが明らかになって来ました。さらに親の併行治療を重ねる中で、加虐側の親の側にも発達障害や発達凸凹が認められ、また大半に被虐待の既往があり、さらにうつ病や非定型的な気分変動が認められます。こうして世代をまたぐと、発達障害とトラウマと、どちらが一義的なのか判然としなくなってしまうのです。
臨床の現場において、発達障害の難治例とは実はこの組み合わせなのです。子どもは被虐待があり、発達障害と著しい問題行動を抱え、その親もまた被虐待の既往があり、凸凹レベルの発達障害と、難治性の気分変動とを抱えていて、複雑性PTSDの臨床像を有している。
発達障害臨床においてトラウマの問題は、これから大きなテーマになることは疑いありません。このセミナーでは発達精神病理学的視点から、発達障害とトラウマとの複雑な絡み合いを示し、その様な症例への治療実践について検討を行います。
2015年度発達障害医学セミナー コーディネーター
浜松医科大学児童青年期精神医学講座 杉山登志郎
  • ■ 日 時  2016年 2月6日(土)~7日(日)
  • ■ 会 場  名古屋市立大学 桜山(川澄)キャンパス
           医学研究科・医学部研究棟11階講義室(大)
〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
桜通線「桜山」駅下車3番出口よりすぐ
※会場地図は、参加証とともにお送りいたします。
  • ■ 定 員  160名 (定員になり次第締め切ります)
  • ■ 参加対象者 発達障害医療・福祉・教育・行政関係者・保護者・その他
  • ■ 参加費
2日間参加・・・・・・・・19,000円( 賛助会員 17,100円 )
2月 6日(土)のみ参加・・・13,300円( 賛助会員 11,970円 )
2月 7日(日)のみ参加・・・ 8,800円 ( 賛助会員 7,920円 )
※連盟加盟団体の会員と、連盟賛助会員とは異なります。
  • ■ 主 催 公益社団法人 日本発達障害連盟
詳しいプログラムはこちらから
201502seminar-program
~ご宿泊について~
遠方よりお越しの皆様には、各自で宿泊先の手配をお願いしておりますのでご了承ください。
【お申し込み方法】

2日間参加、2月6日(土)のみ参加は、定員に達したため、お申し込みを終了させていただきました。2月7日(日)のみ参加は残りわずかとなっております。詳しくは下記お申し込みフォームからお問い合わせください。

下記のいずれかの方法で、参加費を添えてお申し込みください。
ご入金の確認後、参加証(兼領収書)および会場地図をお送りいたします。
※下記お申込みフォームからもお申込みが可能です。ただし、HP上でのご入金はできませんので、別途お振り込みいただくことになります。ご了承ください。
※下記お申込みフォームからお申込みいただきますと、振込先の口座番号をご連絡いたします。
  • ◆郵便局備え付けの振込用紙
    (通信欄に下記の必要事項をご記入ください。)
  • ◆現金書留
    下記の必要事項を同封してください。
【必要事項】
希望参加日、賛助会員割引の有無、参加者名、連絡先電話番号、連絡先FAX番号、参加証送付先住所(ご自宅・勤務先)、メールアドレス、ご所属先、役職名
【ご注意】
✐参加される方の理由によるキャンセルにつきまして、ご入金後の払い戻しはできかねますので予めご了承ください。
✐お申し込みの取り消しはできませんが、代理の方の出席は可能です。
【お問い合わせ先】
〒114-0015
東京都北区中里1-9-10パレドール六義園北402号室
公益社団法人 日本発達障害連盟 医学セミナー係り
TEL:03-5814-0391
FAX:03-5814-0393
E-mail:jlid@cf.mbn.or.jp

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